美容室のスキンケアが選ばれない理由は、品質ではなかった。「買いに行けない」と「効果が高そう」という203の本音

美容室のスキンケアが選ばれない理由は、品質ではなかった。「買いに行けない」と「効果が高そう」という203名の本音

美容室でしか買えないスキンケア。それを「魅力的だ」と感じる人は、思ったより少数派でした。

20〜60代の女性500名に伺ったところ、サロン専売品に魅力を感じる方は13.2%。市販品に魅力を感じる方が36.4%、どちらでも変わらないが50.4%という結果です。

商品を扱う側からすれば、あまり嬉しくない数字かもしれません。ただ、この設問には理由を自由に書いていただく欄も設けていました。248件の記述を一つずつ読んでいくと、13%という数字の中身は、品質への不信とはまったく違うところにあったことがわかってきます。

目次

まず、結果の内訳から

どちらに魅力を感じるか回答率
どちらでも変わらない50.4%
市販品に魅力を感じる36.4%
サロン専売品に魅力を感じる13.2%

もっとも多いのは「どちらでも変わらない」の50.4%。買える場所そのものを、判断材料にしていない方が半数を占めます。

そのうえで市販品派が36.4%と、専売品派の約2.8倍。ここだけを見ると、専売品というかたちに分が悪いように見えます。

市販品を選ぶ理由の大半は、品質の話ではなかった

では、市販品に魅力を感じると答えた方は、何を理由に挙げたのでしょうか。有効な記述145件を分類しました。

市販品に魅力を感じると答えた人の理由を分類
理由件数
いつでも買える・手軽さ56件
価格・お得さ34件
来店の手間21件
比較・選択肢の多さ7件
勧誘への抵抗感5件
買い続けられるかの不安5件
髪と肌は別という認識5件

最多は「いつでも買える・手軽さ」の56件です。実際の記述を見ても、買いたいときにすぐ手に入ること、継続のハードルが低いことを挙げる声が並びます。次いで価格が34件、来店の手間が21件。

つまり、上位を占めるのはすべて”買いに行けるかどうか”という流通の話でした。品質や効果そのものを疑う記述は、145件のうち7件にとどまります。

市販品派の理由として想像されがちな「サロン専売品は品質が信用できない」という声は、実際にはほとんど出てこなかったということです。多くの方は、専売品の中身を評価したうえで避けているのではなく、評価する手前で、買いに行けないから選択肢から外している

少数だが無視できない、3つの声

一方で、件数は少ないながら性質の異なる指摘もありました。

ひとつは勧誘への抵抗感(5件)。断りにくい、気を使う、プレッシャーを感じるといった、購入の場そのものへの心理的な負担です。

もうひとつは買い続けられるかの不安(5件)。美容室を変えたら買えなくなる、担当者が辞めたらどこで買えばいいのかという声で、これは継続前提の商品ならではの懸念といえます。

そして髪と肌は別という認識(5件)。美容室はヘアケアの専門であって顔は専門外だと思う、という趣旨の記述です。件数こそ少ないものの、これはカテゴリーそのものの前提に関わる指摘といえます。

なかには、専売という仕組みの閉鎖性そのものに疑問を投げかける長文の記述もありました。良いものだと自信があるなら市場に開いてほしい、という主旨のご意見です。

専売品を選ぶ理由は、「効果への期待」

反対に、サロン専売品に魅力を感じると答えた方の理由も見てみます。有効な記述58件です。

サロン専売品を選ぶ理由は効果への期待
理由件数
効果・品質・成分への期待27件
特別感・限定であること19件
プロ・専門性への信頼18件

最多は効果・品質・成分への期待で27件。ただし、これらの記述には特徴があります。58件のうち21件が「〜そう」「〜と思う」という推量のかたちで書かれていました。効果が高そう、成分が良さそう、専門的な研究をしているように思える、といった具合です。

つまり専売品派の期待の多くは、実際に使った実感ではなく、「そこでしか買えない」という事実から逆算された推測にもとづいています。裏を返せば、この期待は使ってみるまで確かめられない状態のまま置かれているということでもあります。

特別感を挙げた19件も、同じ構造です。手に入りにくいこと自体が価値になっている一方で、中身についての言及は多くありません。

その点、プロ・専門性への信頼を挙げた18件は少し性質が異なります。プロが選んだものは信用できる、美容室ならではのアドバイスが聴きたい、といった記述で、これは商品ではなく人に向けられた信頼です。

体験の有無で、評価は変わる

ここで、別の設問と重ねてみます。美容師から肌のアドバイスを受けた経験があるかどうかで、専売品への評価がどう変わるかです。

サロン専売品と市販品、どちらに魅力を感じるか
専売品に魅力どちらでも変わらない市販品に魅力
アドバイス経験あり(64名)32.8%45.3%21.9%
アドバイス経験なし(436名)10.3%51.1%38.5%

専売品に魅力を感じる割合は10.3%から32.8%へと約3倍になり、市販品に魅力を感じる割合は38.5%から21.9%へと下がります。

もちろん、もともと専売品に好意的な方がアドバイスを受け入れやすいという逆の可能性もあり、この調査だけで因果の向きは決められません。ただ、専売品への評価が「買える場所」ではなく「そこで得られた体験」によって動いていることは読み取れます。

美容室での接点そのものについては、美容室で肌の相談をされた人は13%でも詳しく扱っています。

13%という数字が示していること

ここまでを整理すると、13.2%という数字はこう読めます。

市販品が選ばれているのは、品質で勝っているからではありません。買いに行けるという一点で選ばれている。そして専売品が選ばれにくいのは、中身が劣ると思われているからではなく、多くの人にとって中身を確かめる機会がないまま終わっているからです。

専売品派が語った「効果が高そう」という期待も、市販品派が語った「買いに行けない」という理由も、どちらも同じことを別の角度から言っています。確かめる機会がない、ということです。

順番を変えるだけなら、いつものケアのままで

新しいスキンケアを試すのは、どこで買うにせよ勇気がいります。合わなかったらどうしよう、今使っているものを手放すことになるのではないか、という迷いがつきまとうからです。

その点、クリーム先行スキンケアは少し性質が異なります。洗顔後すぐ・化粧水の前に導入クリームをなじませ、そのあとはいつものケアを続けるという方法だからです。

洗顔直後の肌は、うるおいを守る力が一時的に下がっている状態と考えられています。この時間帯にうるおいのベースを整えておく。使い慣れた化粧水や美容液はそのままで、順番に1ステップ足すだけなので、今のケアを手放す必要がありません。

何を買うかを決める前に、まず順番から試してみる。それもひとつの入り口だと考えています。

調査概要

調査名「美容室とスキンケアの接点に関するアンケート」
調査期間2026年7月
調査対象・人数全国の20〜60代女性 500名
調査方法Webアンケート/導入クリームのWhia調べ(クロス・マーケティング「QiQUMO」を利用した調査)
自由記述の内訳回答248件のうち、「なし」「特にない」等を除いた有効記述は203件(市販品派145件・専売品派58件)
分類方法記述内容をもとに手作業で分類。複数の理由に触れた記述は重複して計上しているため、件数の合計は記述数を上回ります
留意点体験の有無と評価の関係は相関を示すものであり、因果関係を示すものではありません

本調査のデータ・図版は、出所として「導入クリームのWhia(ホワイエ)調べ」と明記いただければ、報道・記事内でご自由にご利用いただけます。元データのご確認や追加集計のご依頼は、お問い合わせフォームよりご連絡ください。


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この記事を書いた人

川東 桃子のアバター 川東 桃子 ホワイエ株式会社 執行役員 / 商品企画開発担当

導入クリームの人|歴13年現役エステティシャン

東京を拠点にしつつ、現在も高知県でエステサロン代表兼現役エステティシャンとして、現場に立ち続けています。
現場で見てきた「肌のリアル」と商品企画開発の視点から考える「スキンケア設計」から導入クリームを開発しました。

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